- この記事を読むと・・・
 - フリーWi-Fiの裏側に、どんな危険性が潜むのか理解できる。
 - フリーWi-Fiを安全に使うための対策を知ることができる。
 - 社会的信用を失うような情報漏洩に備える心構えが身につく。
 

フリーWi-Fiは危険?スタバで起きる見えないリスク
スタバでいつものラテを片手にPCを開き、心地よいBGMの中でメールを送る。
そんな時間に、少しだけ優越感を覚える─まさにイケオジの朝のひとときだ。
しかし、そのフリーWi-Fiは、誰もが共有している電波である。通信の暗号化が不十分なまま使えば、ログイン情報などが他人の端末から覗かれるリスクがある。
特にスタバが提供しているフリーWi-Fiは、最低限の暗号化すら施されておらず、会員登録やパスワードの入力も必要ない。
この穏やかな空間に見えない危険が息を潜めている。悪意ある者たちは、私たちの金融や個人情報を虎視眈々と狙っているのだ。
それでは、この静けさの中に一体どんな危険が隠れているのだろうか?
便利さの裏側に潜んでいるフリーWi-Fiの危険性
近年、多くのWebサイトはSSL(通信の暗号化)に対応し、ユーザーとのやり取りは安全に保たれている。
そのおかげで、Wi-Fi側の暗号化が不十分であっても、以前のように通信内容が丸ごと盗み見られるような被害は少なくなった。
しかし、そんな安全に見える時代ほど、見落としがちな隙があるものだ。
ポートスキャン攻撃
フリーWi-Fiは、不特定多数が同じネットワークに接続するため、接続直後にハッカーからポートスキャンで端末の開いている通信口を探られることがある。
ポートスキャンとは、どのアプリや通信機能が使えるかを確認し、侵入の手がかりを探る行為だ。
古いOSや更新されていないアプリが残っていると、その脆弱性を突かれたり、ファイル共有設定をオンにしたままだと、重要なデータが覗かれることもある。
【参考情報:ポートスキャンとは?仕組みやサイバー攻撃の対策方法を解説|ノートン】
偽SSIDによる罠
SSID(ネットワーク名)は、Wi-Fiの「看板」のようなもの。店名や「Free_WiFi」といった見慣れた名前で表示されると、私たちは無意識に接続してしまいがちだ。
ところが、攻撃者はその看板と同じような偽SSIDを作り、正規のアクセスポイントになりすまして、他人の通信内容を盗もうとする。
いくら通信が暗号化されていても、私たちのログイン情報やCookieを抜かれる可能性が今でも残っているのだ。
実際、私も出張先で立ち寄った全国チェーンのカフェで、似たような経験をしたことがある。
いつも使っている全く同じSSIDが表示されたので迷わず接続したが、ネットの反応が妙に遅くて違和感を覚えた。
そこで、念のため店員に確認すると、それは悪魔の双子と呼ばれる偽ネットワークだと判明する。
幸いその後の被害はなかったものの、背筋が冷たくなるような瞬間だった。
【参考情報:偽アクセスポイントによる情報漏洩|インテリジェントウェイブ】
ショルダーハッキング
そして、最も原始的ではあるが、今でも有効な手段がショルダーハッキングだ。
カフェや電車内で背後からパスワード入力を盗み見られたり、画面を撮影される被害は、私たちの想像以上に起きている。
近年、スマホのカメラに搭載されるズームや暗所性能が飛躍的に進化し、いとも簡単に情報が切り取られやすい時代的な背景もある。
技術が進化しても、リスクは形を変えて潜んでいる。便利さの裏側にあるこの実態を知ることが、まず最初の防御になるだろう。
【参考情報: ショルダーハッキングって何?|東京都産業労働局】
フリーWi-Fiを安全に使うための3つの対策
危険を知るだけでは、まだ自分の身を守ったことにはならない。
ここからは、フリーWi-Fiを少しでも安全に使うために、今日から実践できる3つの基本的な対策を紹介しよう。
VPNを活用して通信を守る
最も効果的な防御は、VPN(仮想プライベートネットワーク)を使うことだ。VPNを通すことで通信経路全体が丸ごと暗号化される。
たとえ悪意ある第三者が同じネットワーク上にいても、通信内容を傍受されるリスクをほぼ排除することができる。
VPNはセキュリティソフトなどに標準搭載されていることも多く、ワンクリックで通信を暗号化できるため、外出先での作業も安心である。
プライバシーフィルターで覗き見を防止する
ショルダーハッキングの多くは、技術よりも「人間の視線」から始まる。
画面を少し傾けるだけで見えなくなるプライバシーフィルターを貼っておけば、周囲からの覗き見を防ぐことができる。
また、カフェや新幹線の車内など、人の視線が交差する環境では、「見られていない」と思い込まないことが最大の防御になるだろう。
信頼できる回線を選ぶ
そもそも提供元が不明なフリーWi-Fiや、パスワードが不要なネットワークには接続しない、というポリシーを持つことがベストだ。
スマホのテザリング機能やモバイルルーターを使えば、通信環境を自分の管理下に置ける。通信料金はかさむが、その後の損失を考えると比較にならない。
どうしてもカフェなどで無料Wi-Fiを利用する場合は、必ず店舗の公式情報を確認しておこう。わずかな確認のひと手間が、後悔を防ぐ確実な対策になる。
ただし、もしも公式情報と同じSSIDが複数表示される場合は、絶対に接続してはならない。そのうちのいずれかは、悪魔の双子である。
リスクを知って自分が築き上げた信用を守ろう!
スタバのフリーWi-Fiは、便利で快適だ。しかし、その便利さに甘えるほど「無意識という油断」が生まれてしまう。
情報が漏れるということは、単なるデータの流出ではない。それは、時間をかけて築き上げてきた社会的地位や信用を失うことでもある。
どんなに技術が進化しても、最後に自分を守るのは、「リスクに備える意識」であることを忘れてはならない。
まずは、リスクの存在を知り、その本質を理解すること。そして、そのリスクを最小限にするための冷静な判断力と対処法を身につけよう。
その意識こそが、イケオジとしてふさわしいセキュリティリテラシーである。

上場企業の部長職を45歳で早期退職。キャリアで磨いたマネジメント思考を軸に、自分の人生を再設計するステージへ。
「イケオジ=肩書きに頼らず、知性と余裕で生きる。」そんな大人の思考術やノウハウをブログやSNSで発信しています。


